2015年03月04日

勉強会!その後 乱文

3月頭はビールなスタート。
大阪の伝説的なビールイベントに一ブルワーとして参加できました感謝。
あとは関西のメーカーが集まって勉強会に出席。
国税局の先生からのありがたいお話はこのブログでもすでにまとめた情報でした。
データのソースが書籍やネットで出回ってるのでしかたないか。
自分で調べられる範囲では調べてるつもりなので、ある意味確認ができてよかった。
それよかむしろ洗剤メーカーのCIPの話のほうがよかったな。
あとはこれからのクラフトビールの話。
国産クラフトビールのレベルって確かに上がってるけど、
それが行き着くところまで行けばどれもこれも似たような商品になるんでは?
っていう問題提起と、じゃあオリジナルの醸造技術を確立しよう、っていう発想はよくわかる。
でもそれが日本酒のテクニックだったりワインのテクニックだったりっていう、
うーん、、なんかちょっとずれちゃうかなか。飛び道具にはなるかもしれないけど。
世界中でクラフトビールが作られるようになって、それがどんどん日本に入ってきてる。
低温コンテナで品質もキープされたままほぼリアルタイムで世界中のクラフトビールが飲める。
今我々小規模メーカーは何をしたらいいのか?
という勉強会初日でした。
メーカーのレベルはほんとピンキリで100kl造るところもあればブルーパブで6klギリギリってところもある。
技術的なレベルはかなり差があるだろうなぁ。。

そして二日目は大阪で最も力のあるビアパブオーナーの、ビアパブ経営者からみたクラフトビールについてのご講義。
これが熱かった。

まずは地ビール解禁から20年を振り返り。
そんで関東と関西の差を見て、関西メーカーの怠慢、不勉強をぐっさりやられました。
開業して10年以上レシピやスペックを変えずに今まで作り続けてるメーカーも多い。
それを伝統とかうちの味って固執しちゃってますね、っていう指摘。
原料もどんどん新しくなってるし、醸造技術も新しいテクニックの情報があるから、それに取り組まないと置いてかれる。
もちろんホップなんかはかなり流行りものになってきてて、
そのサイクルは短い。
だから最初そうやって指摘されたときは、流行りものでキャッチーな商品開発をしないとビアパブとしては売りにくい、って言ってんのかなって思った。
でもそうじゃなくて、そういう新しい原料や技術にも取り組んでいって、
レギュラー商品もスタイルは守りながらその中身はマイナーチェンジしていかないと、ってことだった。
そういうインプットとしての情報に敏感になりながら、
自社の商品情報のアウトプットにももっと真剣に取り組むべき。
ビールのスタイルやアルコール度数、IBU、ホップの品種はもちろん、
提供温度やケグ詰めしてからのストック期間、ガスボリューム、酵母の活性の良し悪しやそこから影響するフレーバー、品質のブレ具合なんかも、ビアパブは知りたいと。
それが単純に減点加点の評価になって取引に影響するっていうよりは、
そういう情報発信・提供ができるかどうか、そこが信頼になって取引になってると。
ただ定期的に顔出して挨拶してれば信頼されるっていうわけじゃないってことですね。
商品の正確な情報、それに基づいた提供方法の調整まで提案してほしいと。

先日見て来られた、アメリカでのクラフトビール。
日本の10年先って言われてる。10年先かぁ。
IPA一色って感じだったのももはや廃れたようで、
むしろ原点回帰でジャーマンスタイルやベルジャンも出てきてる。
アメリカにある4000とか4500とかあると言われるブルワリーの半数以上はブルーパブぽい。
他の地域に出まわらず地元で消費されるだけの小さなブルワリーは、
スタイルやジャンルを限定して特化した造りをしてるらしい。
オープンファーメンテーションで全部造ってるupright brewingとかとんがってたなぁ。
ロゴデザインからグッズのデザインもやっぱり違うと。
アパレルとも連携して、プロモーションミックス。そういう視点が必要。
大きなボトルビールの熟成もやってて、ワインのような感覚で高単価商品高付加価値商品が売れる。
800種類ものボトルビールを扱う酒販店があって、
そこにメジャーなクラフトビールは数種しかない。
ほとんどローカルなクラフトビールメーカーの商品だけでラインナップされる。
アメリカのホームブルワーはそもそもレベルが高くて、ブルーパブをオープンした段階で醸造技術がある。
小さなロットでも要所要所をしっかり押さえた造りだから美味しい。


ガスボリュームのコントロールとかpHコントロールをしてないメーカーがある。
技術的な格差が広がってるって言われて是正するための勉強会なんじゃないのか?
どこをお手本にすればいいんだろう。もっと他のメーカーの仕込を見ないとわからない。
そういう具体的な話がなかった。

去年のスモークエールの感想がけっこうひどかったなぁ。
まぁ狙ったところがスモーク100%ってところだったから、そういう意味では正しい評価か。
でもあのあと最初のバッチから、2回め3回めと評価を上げていくっていう作業が必要なんだろうなと。
限定ビール1発で終わるから評価がイマイチ。そういうのもひっくるめてコミュニケーション取れればってことなんだと思う。
限定ビールで色んな挑戦をして、新しい原料や製法で試行錯誤したり、
他のメーカーとコラボして技術交流をはかる。
そうやって積んだ経験を活かして、レギュラー商品のマイナーチェンジ、ブラッシュアップをする。
今売れてる先頭集団のメーカーがやってる取り組みってそういうことの繰り返しなんかもしれない。
話題作りとかマニアを喜ばせるためだけのサービスなんだって決めつけてたけど、
ちゃんとやってるところは明確な目的があってやってたのかも。(そうじゃないところもあるとは思うが)
っていう今更な気付きを、親方にご指導頂いて得られたのでした。
他のメーカーがどういうことやってるのかって、ちょっと話したくらいじゃ正直わからんもんな。

この三日間はビール醸造について改めて意識が変わった貴重な時間でした。
消費者がどうこう余計なことを考えずに、
製造業としてあるべき姿っていうの、初めて考えたかもしれない。
話した内容のメモ的内容のため乱文ご容赦くださいませ。
posted by koji at 12:58| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月05日

これからの小規模メーカーはニッチャーだけが生き残る

明日はビール仕込み。毎日日本酒ばっかり造ってるからビールを造るのが楽しみ。
ビール仕込みの準備をしながら、麹と酒母の管理もするってかなりレアな体験だと思う。笑
環境に感謝。

大手各社がクラフトビール参入を表明してさらに一般化するであろうクラフトビール。
それでもこれまで頑張ってきた既存のクラフトビールメーカーは戦々恐々としてるか、ただただ無関係を装って傍観してるかって感じになりつつあります。
地ビールスタートして20周年の節目の年なんですが、
業界の大きな協会はあんまり盛り上げる気もなさそう。
その辺がただの地方の中小企業の寄せ集めって感じです。

反して、大手キリンは今年をクラフトビール元年と銘打って商品展開していくと発表。
(クラフトビール元年ってここんとこ毎年のように言われてる気がするけど)
大手の販促、広告で一般消費者に認知されるのはありがたいけど、
結局大手に乗っ取られる形は避けられなさそうだ。
プレミアムビール市場がシェア16%にアップして、20%くらいまでいくだろうと予測されるそーな。
それにクラフトビールを加えて、高付加価値商品は大手の戦略の軸の一つになるようです。

さて、そうすると一般消費者はクラフトビール=大手の今までと違ううまいビール って認識になる。
そうすると、既存の小規模クラフトメーカーは、残念ながら「地ビール」メーカーに逆戻りしてしまうんじゃないかと。
全国のスーパーやコンビニで大手クラフト(クラフティ?)が200円300円台で売られるようになったら、、、
地方のお土産需要に頼らざるを得ないメーカーがほとんどじゃないでしょうか。

という議論を昨日とある協議会ですったもんだした。
これはかなり現実味のある話です。価格で勝負できないのに品質でどこまで差をあけられるか。
常温の業務用の樽が飲食店向けに出るようになってくるとかなり厳しいことになるだろう。

小さいメーカーは自分たちのこだわりや品質について、
もっと最終提供者である飲食店に教えたいと思っている。
けど、最近の流行りはメーカーが樽替わりでどんどん入れ替わるスタイル。
これだと各々のメーカーと消費者のつながりは希薄になる。密にできない。
だからといってタップ固定で常設してくれって言ったって、
ごく一部の集客力のあるブルワリーだけが可能な戦略になってくる。
結局、零細ブルワリーは自分たちで主導権を握れず、イベント頼りの戦略になりがち。
やっぱり取れる戦略は弱者の戦略、まさしく、いわゆるランチェスター経営しかなくなってくる。
最強のニッチャーを目指すってわけです。
ランチェスターって基本的には地元密着、限られた市場で圧倒的な1位を目指すっていうスタンスなわけですが、
一見するとそれって地ビールってこと?っと思う。

でもよくよく考えてみると、地ビールって、地元の人が買うものじゃない。
観光客が土産物で買うものであって、地元で飲まれるわけじゃない。

このところのクラフトメーカーは全国のイベントに顔をだして、全国のビアパブに出荷することで伸びてきた。
反面、地元でもそんなに売れない、田舎の人だからクラフトビールなんて飲まない、って雰囲気があった。
でもそれはきっと、強者=大手がいなかったから成り立ってたんじゃないかと。
弱者だけが集まってわいわい仲間内でやってきたからバランスしてた市場。
これからは強者が圧倒的な戦力で幅を利かせてくる。
だとしたらこれからは弱者の戦略の重要性が上がるってこと。
小さな戦力でも、地域・商品・ターゲットを限定して戦力を集中させて戦うしかない。

クラフトビールの定義がどうのこうの言ってもしょうがないことになりそうだなぁ。
結局、うちにしか作れないっていうビールがないといけないんだなと。
そしてそういうのがないメーカーは、全国で売れなくなって地元の土産物ビールとしての道しか残らなくなると。いずれはその需要もなくなるだろうけど。


ビールの酒税是正も気になるところですがまた改めて。

書きながら考えを整理するというのは文章はめちゃめちゃになる。笑
まぁご理解してもらえたら幸いです。

さて、酒母の面倒でも見てこようかな。
posted by koji at 18:58| 大阪 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | フード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月21日

統計学が最強の学問である

1月も下旬になり大吟醸造りが佳境を迎えつつあります。
春が待ち遠しい。
冬ごもりしながら春からの作戦を考え中。
事業計画を作ってるつもりがいつの間にかクラフトビール市場環境の分析と考察に陥ってしまワナです。
最近のクラフトメーカーにアンケートした統計では、
1社あたりの平均売上が年商8700万円にまでなって前年比14%増と二桁成長を続けてるというニュース。
リッター1,000円で単純計算して年間製造量87,000リットルが平均。
これでも儲けの出てるところは多くないだろうなぁ。
そしてこのアンケートは上から166社を対象にしてるような数字だから、残りの下から100社ほどは極端に低い数字だろう。
平均すると1週間で2KL弱の製造量。毎週2バッチ作って売る。
二極化してるような気もします。

で、タイトルの本「統計学が最強の学問である」を読みまして、まぁ図書館でずいぶん前に予約してた本です。
キャッチーなタイトルでけっこう売れたんじゃないかな。
最強かどうかはわからないが、統計学が経営戦略上ものすごく重要なのはなんとなくわかる。
この本、統計学的には入門的に優しく書かれてるんだろうけど、
久々に高校の授業を思い出す程度には数学的な内容なもんで、、、普段使わない頭を使いました。

統計学が最強の学問である -
統計学が最強の学問である -

チェーンカフェではPOSって当たり前にあって当たり前のようにデータを使ってたけど、会社の誰もがそのデータから、この本に書かれてるような統計的分析はできてなかったなぁ。
結局19世紀の統計学者がやってきたような集計と平均でしかなった。
微積分とか使って色々分析しようと考えたときもあったけど至らず。
回帰分析の勉強が必要だったんですね。

後半はちょっと小難しくなって読むのが面倒だったけど、ランダム化比較実験が最強ってところはちゃんと理解できてよかった。

ちょっと引用
・「正解のない意思決定」について、正解がないのであればとりあえずランダムに決めてしまう、という選択肢の価値はもっと認められるべき
・統計学的な裏付けもないのにそれが絶対正しいと決めつけることと同じくらい、統計学的な裏付けもないのにそれが絶対誤りだと決めつける愚かさ
・ランダム化の限界 「1回こっきりのチャンス」あるいは、あったとしてもせいぜい数回程度しかチャンスがないもの自体を取り扱うことに対して、ランダム化しようがしまいが統計学は無力である

さて、データ収集と分析って個人的にはすごく重要だと思う、というか好きだ。
それをみて戦略的な意思決定をするのも好きだ。
けど、個人の飲食ってそもそもデータの収集自体が稚拙になりがちで、意思決定に意思以外のエビデンス(ってやたらこの本にも出てくる、根拠)がなかったりする。
ちょっと前まではPOSシステム自体が比較的大きな投資を必要としてたわけですが、タブレットが出回り始めてからはかなりハードル下がってますね。個人飲食でもPOSのデータ収集は必須なんじゃないだろうかと。(いや、そんなことはもうしてる?)

販促のキャンペーンを打つときに、とりあえず試してみるっていうのはよくわかる。
でも会社の会議って得てして、そのキャンペーンに今期の成否の全てがかかってる!みたいなことになりがちで、なのに統計的な裏付けなんてそもそもありはしないのに上層部がノーと言わないようなありきたりな施策で落ち着いてしまう。こういう不毛なやりとり疲れます、けど多い。
とにかく答えがないからやってみよう!っていうこともあるにはあるけど、一つのキャンペーンだけやって、意味あったかな?いや、なかったかな?くらいのサマリーしかなかったり。
複数のキャンペーンをランダムでやってみて結果を分析するって難しい。日本は特にそういう感覚遅れてる気がする。

しかしランダム化が最強って言ってもそれはデータが色々比較できるほどたくさんある場合で、個人の零細事業って、そもそも毎回が1回こっきりのチャンス、一発勝負みたいなところあると思う。

過去のデータってやっぱり過去でしかなくて、そこからの予測の枠からはみ出したことをやろうと思ったら数字のエビデンスなんて無力(か微力)なんじゃないかなって思います。

ブルーパブには、アメリカの数字のエビデンスはあるけど日本のデータではない。
だからこそ意思決定に、意思以上の根拠がないんだな、って思わせられる本でした。

起業ってエネルギーいりますね。
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2015年01月03日

2015年 改めて実行 巻き込む 追い込む

2015年になりました。
去年も引き続き色んな方にお世話になりつつ、一生懸命働いたつもりです。
ありがとうございました。

年始はとりあえず前年の振り返りからいつも始めるわけですが、
2014年のテーマは「実行」でした。

実行って、具体的にいうと起業を意図してたんですが、
色々あって今の職場を延長しています。
なので、実行はいまいち達成できなったなぁ。
さすがに1年だと色々勉強不足でした。
実行というよりは試行錯誤とか精進って感じか。色々考えた1年だった。
第一の創造っていえばその通り、思考の中でプランニング。第二の創造こそ実行。

今年は改めて、実行に取り組みたいと思います。
その下準備を2014年で少しはできたかなと。
結局、一人じゃできんなと思ったわけです。
やっぱり飲食業って独立して小さい店でもオーナー目指すっていうのが王道やと思うんですが、ブルーパブってそれなりに規模がいるわけで、醸造もやってレストランもやって、経験的にカフェもやりたいってなると一人じゃ無理だなぁ。

ということで、今年は「改めて実行 巻き込む 追い込む」。ちょっと長ったらしいけど。
巻き込むって、この数年自分のミッションステートメントにも入ってるキーワード。巻き込める人間になろう。改めてリーダーシップ発揮します。セルフブランディングとプレゼンテーション。

ステーキ屋も5年目にしてやっと儲けが!これは予想以上でした。手伝ってくれた友達にも感謝。また改めてお礼しよう。アベノミクスもうちには効果あったかな。今年はこの流れ引き継ぎたいけど、人材確保を引き続き重点項目に、、、

そして追い込む!
これは有言実行、なせばなる、なんとかなる。やらなきゃわからない。ってことで実行するしかないという意味で。
自分の性質としてやっぱりどうしても理屈先行、頭で理解してから行動するタイプ。
もちろんそれはそれで自分のいいところだと思ってますし、行動力も人よりはあるとは思ってますが。
でも周りの行動先行の諸先輩方を見習って、出たとこ勝負に追い込もうと思います。
ブルーパブって勢い重視じゃないとうまくいかない気がする。
焦らないっていうのと先送りにするっていうのは同じ意味じゃない、という意味で。

追い込むという意味では、今年は業界全体が荒れそうな予感です。
大手のクラフトビール開発強化のニュースが年始早々NHKで上がってます。もちろんそんなことは去年から百も承知なわけですが、本格的にそういう空気になりそうだなと。

飲み手の裾野を広げるって意味でとっても有意義なことだとは思いますが、やっぱり価格面でどうしても劣勢に立たされるのは既存のクラフトメーカーでしょう。クオリティで負けないから価格が2〜3倍してもみんな買ってくれる!って自信をもって立ち向かえるメーカーは何社くらいあるだろうか。
もちろん既存のファンとのつながりもあるからそこは強みだと思うけど、今までの戦略じゃ通用しなくなる年になりそうな予想。ここ数年ずっと右肩上がりだっただけに追い込まれてどうなることかと。
と最近、事業計画的なものを考える上で市場の環境やらポジショニングやら優位性をあれこれ理屈立ててるとそう思う。あいかわらず端から偉そうなこと言って恐縮ですが。

今年は仕事だけじゃなく私生活でも色々と変化がありそう。
今年こそ実行するよう年始から集中していこうと思います。
皆様どうぞ宜しくお願いします。
posted by koji at 20:11| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月03日

サスティなブルーパブ

なかなか面白い二つの本を読んだ。
たまたまこの二冊を続けて読んだけどこの2冊の対比がおもしろい。

最底辺の10億人 -
最底辺の10億人 -
主にアフリカの最貧国に生きる人々。他にもアジア、南米も何国か含まれる。
この最底辺の国々は四つの貧困の罠に囚われて未だに14世紀と同じ水準の生活を強いられている。
紛争の罠、天然資源の罠、内陸国の罠、小国における悪いガバナンスの罠。
内戦やクーデターは一度起きると何度でも起き、経済を麻痺させる。
天然資源がある場合でもそれに頼ってしまい産業は発達しない。先進国に食い物にされ一部が潤うだけになる。税収に頼る必要がなくなるため政府の資金繰りを監視するインセンティブが働かず、横領が日常化する。
内陸国は、隣国の情勢に左右され、貧困は伝播する。インフラも整備できず輸出入で潤うこともできない。
政府、役人の腐敗が横行する国々では経済は破綻し、有能な人材も資産も国外に流出する。

グローバル化によって最底辺の国々は益々発展しにくくなる。
特にアジア諸国が発展途上にあり、安い労働力の賃金が先進国の水準まで上がって優位性が無くなるまでは、アフリカの最貧国に資本や技術が集まることはない。

政府の腐敗する最貧国に対して金銭的な援助は逆効果になる。民主主義は買収で成り立たない。最貧国は自力で貧困の罠から脱することはほとんど不可能。
先進国、国連が積極的に軍事介入し、長期的に統治、監視する必要がある。国際標準的な憲章を作り、導入のサポートまでする。
援助は短期間に大量にするのではなく、長期に渡って少しずつ、初期は経済的支援より技術的人材的支援を優先する。
貿易政策は難解で簡単には解決しない。特にアジアに対する競争力はないため保護貿易政策が必要。


「ホテルルワンダ」の映画と、「チョコレートの真実」の書籍を彷彿とするなぁ。日本にいるとなかなか実感できないけど。



シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略 -
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未だに14世紀と同じ生活を強いられている世界の最貧国が抱える貧困の罠と、先進国が抱える消費資本主義の課題。
この両極端だけどどちらも世界が一つになって取り組まないと解決できない問題が、同じ地球上に同時に存在している。


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衝撃的なプロローグ、太平洋ゴミベルト。
これ知らなかった。世界中から漂流してきたゴミが人知れず溜まる世界最大のゴミ捨て場。
太平洋ゴミベルト ウィキ

ハイパー消費社会、産業資本主義が行き着くところまでいき世界は限界を迎えている。
衛生的な使い捨て文化が度を越し、企業のプロモーションは集団の心理を操って消費を煽る。
クレジットカードの誕生で後払いが日常的になり、より大きな消費の心理的ハードルを無くす。
モノで溢れかえった生活は、もっとモノを買うことでしか満たされなくなるのに、企業は商品のライフサイクルをどんどん短くすることでより消費を加速させようとする。

新しいシェアビジネスが生まれるに至る、今までのハイパー消費社会について書かれてる第一章を読むと、ウルグアイのムヒカ大統領のスピーチを思い出す。
リオ会議でのムヒカ大統領スピーチ 日本語訳ページ
彼の言ってることはまさにこの本に書かれてることと同じだ。
世界が抱えるのは、環境問題ではなく政治問題だということ。
古代ローマでセネカが言う「貧乏な人とは、少ししかモノを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人」。
GDPが幸福の指標にはならないこと。(これは別の本「経済成長って本当に必要なの?」でも詳しく。)
などなど色々と思いつくわけですが、
結局色々と思い至るのはやっぱ「アルジュナ」(か、動的平衡)なわけで、、、太平洋ゴミベルトなんて、ラージャの巣でしかない。10年以上前の日本のアニメでやっちゃうようなわかり切ったことなのに、世界は何も対応できないのか?既得権益って恐ろしい。

ハイパー消費社会が行き詰まりを見せて、新しいコラボ消費=シェアが生まれている。

シェアのモデルは3つ
■プロダクト=サービス・システム PSS
■再分配市場
■コラボ的ライフスタイル

そのモデルがうまくいくための要因は4つ
■クリティカル・マス
■余剰キャパシティ
■共有資源の尊重
■他者との信頼

ある製品を所有するが目的ではなく、利用して受けられるサービス・メリットが目的であるという考え方。
自分には必要のなくなったものだけど、他に必要な人はいる。
私があなたを助ければ、誰かが私を助けてくれる。間接的互酬性。自分のスキルを誰かに活かせば、誰かの力を借りることが出来る。

気になったサービス。カーシェアリング、ライドシェア、カウチネットサーフィン、ソーシャルレンディング、ツールシェア、コインランドリー

これらのコラボ消費のモデルは別に目新しいものじゃない。古代から人間同士で行われてきた取引でハイパー消費社会ではしばしば忘れられてきただけだ。

この昔懐かしいモデルが新たに注目されるのに必要なテクノロジーがインターネットで、これによってコラボ消費モデルの取引コストが著しく下がった。
多くの人が参加できることで取引の選択肢が増える→クリティカル・マスに達する。
お互いを信頼する為に評価システムが発達し、ウェブ上でもその人の人となりが評価される。この評価は個人間でなくコミュニティ全員に共有されるためより良い取引が行われるインセンティブが働く。
取引は2者間で直接されることも多いが、複数人数間で相互に成立できるようなアルゴリズム、システムが開発されより選択肢は広くなった。

コラボ消費は人々の行動を自主的に変えている。コラボ消費のほとんどは環境にいいが、環境にいいからという理由で始まったわけじゃない。消費者は、自己利益の追求という立場をそのままにできるため、ほとんどは自分が「よいこと」をしているという意識すらない。多くのコラボ消費モデルは、正しいことをさせようとするわけではなく、正しいことをより魅力的に便利に変えただけだ。

コラボ消費のモデルは製品をデザインするのではなくシステムをデザインする。脱物質化であり、モノよりコト、プロダクトではなくサービス、また、参加することへの満足感、社会的帰属の欲求を満たす。
そういう意味でデザインの本質は変わったが、実際のところデザインはより重要で、人々の行動を定義し、空間を構成し直し、消費欲求を刺激し続ける。
人々を変えようとするのではなく、システムをデザインし直すことで、一人ひとりにほとんど負担をかけることなく、よりサスティナブルで魅力的な方法で人々の欲求を満たす。


率直に、この本にあるようなビジネスモデルをやりたいと思う。
自分は別にエコロジストじゃないけど、自己利益の追求が結果エコなことならもっといい。
コラボ消費は一人じゃできない。人と人がつながってコミュニティを築くから成り立つ。誰かに力を借りる代わりに誰かに施す。
サスティナビリティって流行り言葉みたいで嫌だけど子供ができてさすがに次の世代のことも思うようになったし、日本がこのままずるずる落ちていくのもやだし、自分のミッションステートメント的にも新しい価値ってのは創りたい。

じゃあサスティナブルなブルーパブって何ができるんだろう。今の醸造技術は大量生産大量消費が前提だけど、昔は違ったか。エネルギー効率突き詰めたり、熱量の回収して再利用?麦芽粕の廃棄をコンポーザーで堆肥化したり?酵母の回収と再利用もそうか。(ドライ酵母って作るのにエネルギーかかりそう)
でもこんだけだとただのエコブルワリーだな、、結局新しい設備や装置を追加しないといけない。
もっと単純に、探せば出てくる中古設備をどんな形でも使えるシステムのデザインとか、結局週一回利用の醸造設備は余剰キャパシティなわけだから、それを自社だけじゃなく他社にも使ってもらう。小ロットなら個人飲食店のハウスエールとかPBも受けやすいだろうし、マニアなホームブルワーでも使えるだろう。中堅ブルワリーのテストバッチやったりもできるか。課題はたくさんあるけど。
マイクロブルワリー的には原料の共同購入とか発注ロット的に過剰在庫になるホップの交換とかできるコミュニティとか。そもそも醸造免許自体が希少性のあるスキルだから、価値の交換はしやすいかも?

そんでブルーパブは飲食店なわけだからそっちでできることってあるか。
飲食店は人が集まる空間。
食事だけを売りにするんじゃなくてそこで出来るコミュニティが大事。オンラインのコミュニティがオフラインで集まるというのは地域の活性というシェアになる。
懐古主義っぽいけど、ご近所でも今は知り合いじゃない世の中でそういうハブ的な役割が出来れば社会的帰属の欲求を満たす。


色々やってみたらなんでも出来そうなんだけどな。
常にネットにつながって他者からの評価を気にかけて生活するってのはどうかと思うけど、ネット社会がバーチャルと言われずリアルと肉薄しつつあるなら致し方ないのか。

取引コストを下げて、みんなにとってメリットのあるシェアをデザインする。

今年一番の読み応えでした。このジャンルの本、多読します。
posted by koji at 18:39| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | リーディング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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