2012年01月15日

ビジョナリーカンパニー2

この半月でビジョナリーカンパニー1と2とを読んでおりましたが、
読了致しました。1もせっかくまとめたので2も軽く。




まず、1と2はもちろんお互いに補完しあうような調査結果となっているが、
1では、「永続する偉大な企業を一から築き上げるには何が必要か?」というのがテーマになっているのに対して、2は「凡庸な企業を偉大な企業に変えるにはどうすればいいのか?」というのがテーマ。

1で取り上げている企業は、初期の指導者が偉大な企業への飛躍をもたらす枠組みを適用している。
2では、凡庸だった企業が、ある転換点を境に偉大な企業へ飛躍する点で異なっている。
この違いはあるものの、調査結果で導かれた概念はお互いに関連していた。


P2
良好(good )は偉大(great )の敵である。
良い企業の大部分は現状から抜け出せず、偉大な企業になれない。

P69
◆第五水準のリーダーシップ・経営者
企業幹部の能力の最高位。個人としての謙虚さと職業人としての意思の強さを併せ持つ。
野心的ではあるが、野心は何よりも会社に向けられていて、自分個人には向けられていない。偉大な企業への飛躍に必要であれば、どれほど大きく困難な決定でも下していく。
自分の去ったあとでも会社が偉大な成功を収めるよう後継者を選ぶ。
功績を、自分の偉大な能力の為と思わず、外的要因、幸運とすることが多い。逆に失敗したときには、自分に責任があると考える。
第四水準以下の場合は逆に成功を自分の功績だと考え、失敗を外的要因、不運のせいにする。

第四水準⇒有能な経営者 明確で説得力のあるビジョンへの支持と、ビジョンの実現に向けた努力を生み出し、これまでより高い水準の業績を達成するよう組織に刺激を与える
第三水準⇒有能な管理者 人と資源を組織化し、決められた目標を効率的に効果的に追及する
第二水準⇒組織に寄与する個人 組織目標の達成のために自分の能力を発揮し、組織の中で他者とうまく協力する
第一水準⇒有能な個人 才能、知識、スキル、勤勉さによって生産的な仕事をする


P101
◆最初に人を選び、その後に目標を選ぶ
「人材こそがもっとも重要な資産」ではなく、「適切な人材」こそがもっとも重要な資産。
適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、次にどこに向かうべきかを決める。
ビジョンも戦略も戦術も組織構造も技術も、「誰を選ぶか」を決めた後に決める。
適切な人材を選ぶにあたっては一切妥協せず、厳格に行動する。幹部にこそ厳格な対応が必要。
成長の最大のボトルネックは何よりも適切な人材を採用し維持する組織の能力。
最高の人材は最高の機会にあて、最大の問題の解決にあててはならない。

適切な人材があつまる組織では、最善の答えを探し出すために活発に議論し、激論を交わす。その一方で、方針が決まれば自分が担当する部門の利害を超えて、決定を全面的に支持する。
このようなチームにいると、終生の友情を築くことが多い。互いに尊重しあい、同じ仕事を全員で愛している。

P114
◆厳しい現実を直視する (だが、勝利への確信を失わない)
カリスマ的で強力な経営者はひとつ間違えれば、社内の人間にとって事実上の現実になる。
社内の人間が、社外の現実やそれが自社に与える影響を直視できなくなり、経営者の顔色ばかり見る。部下が厳しい現実を報告しなくなる可能性がある。
カリスマ的でない経営者の方が、長期的な実績がよくなることが多い理由はここにある。

P140
自分のおかれている現実の中で最も厳しい現実を直視する。それでも最後には必ず勝つと確信する。

上司が意見を聞く機会、真実に耳を傾ける機会が十分にある企業文化。
@答えではなく、質問によって理解、指導する。
A対話と論争を行い、強制はしない。健全な対立に自主的に参加する。
B解剖を行い、非難はしない。失敗に学び、非難を目的としない。
C入手した情報を無視できない情報に変える仕組みを作る。現実の変化を早い段階で察知し、対応できるシステム。

従業員の動機付けに努力しても無駄である。適切な人選であれば全員が意欲的である。現実を無視して意欲を挫かないようにする。

P187
◆針鼠の概念 (三つの円の中の単純さ)
偉大な企業は針鼠。針鼠は単純で冴えない動物だがたった一つの肝心な点を知っておりその点から離れない。偉大でない企業は狐に似て賢く様々な点を知っていて行動力もあるが一貫性がない。

針鼠の概念は、三つの円が重なる部分を深く理解することが重要である。前章の、厳しい現実を直視することに続いており、自社が置かれている現実を深く深く理解すること。

三つの円
@自社が世界一になれる事業
「なりたい」ではない。たとえ現在の中核事業(=コアコンピタンス)であってそこそこの能力があり利益があるとしても、世界一になれないのなら偉大な企業にはなれない。

A経済的原動力(利益)になる事業
事業の経済的な現実を深く理解し、最大の影響を与えるただ一つの指標の分母を導き出す。「X当たり利益」という財務指標を採用し、長期に渡って一貫して上昇させていくことを目標にする。

B情熱を持って取り組める事業
従業員の動機付けのために「情熱」が必要だと呼びかけるのではない。自分たちが情熱を燃やせることだけに取り組むのである。

この三つの円がすべて重なる部分が何であるか、常に理解してそこから外れないようにするよう注意しなければならない。戦略、戦術はこの概念を基礎とする。この理解のために、評議会というシステムが有効である。

P228
◆規律の文化
人ではなくシステムを管理する。
偉大な企業には、自ら規律を守り、規律ある行動をし、三つの円が重なる部分を熱狂的とも言えるほど重視する人たちが集まる企業文化を作り上げる。
規律ある人材→規律ある考え→規律ある行動。管理の必要のない人たちの組織となる。
この規律・制約のある一貫したシステムの枠組みの中で、従業員に自由と責任を与えている。
世界一になれる部分を見つけ出す規律、その可能性を現実に変えるために必要な点をすべて行う意思が必要。ここでも針鼠の概念を守る。

第四水準以下の暴君による規律は短期的な効果しかない。

P260
◆促進剤としての技術
技術は勢いを作り出すのではなく飛躍の主因にならない。
三つの円を理解し、飛躍を始めた後に、自社の針鼠の概念に直接適合する技術を導入し、その技術の先駆者となることで技術が促進剤となる。
これは、技術をうまく活用するにはまず、どの技術が自社にとって重要なのかを判断できなければならないからである。深い理解が必要。

偉大な企業は高い理想と深い欲求を実現させたいという自らの衝動に動かされ新技術を用いるが、凡庸な企業は外部から取り残される恐怖によって動かされ、不必要な技術まで求めてしまう。

P295
◆弾み車と悪循環
劇的な転換はゆっくり進む。偉大な企業の飛躍は外部から見れば劇的で革命的だが、内部から見れば生物の成長のような積み重ねの過程のように感じられる。
最終結果がどれほど劇的であっても、偉大な企業への飛躍が一気に達成されることはない。
決定的な行動、壮大な計画、画期的な技術革新、魔法のような瞬間はない。

初めはわずかに前進するだけでも並大抵ではない努力が必要だが、長期間に渡って、一貫性を持たせて一方向に発揮し続けていれば、やがて突破段階に入る。
凡庸な企業は、この準備段階の努力を飛び越して一気に突破段階に入ろうとする。そして業績が期待外れになると、右往左往して一貫した方向を維持できなくなる。


P323
なぜ偉大さを追求するのか。
偉大さを追求することはさらに働きすぎがひどくなることではない。
今、実行している点の大部分が、力の無駄遣いであることを認識する。
仕事の時間の半分をこれらの原則の適用に充て、それ以外のほとんどを無視するか中止すれば、人生が単純になり実績がはるかに向上する。

P330
本当に問題なのは、「なぜ偉大さを追求するのか」ではなく「どの仕事なら偉大さを追求せずにはいられなくなるのか」。



この本は読みやすいです。
各章末に、章の要約として重要な記述を改めてまとめてくれてます。基本的にはそこだけ拾ってもけっこう理解できます。概念の実例や引用が各章の内容となってるので。

ちょっと結論が、「好きなことを仕事にしよう」って感じになってしまってこれまでのたいそうな調査結果やレポートが台無しになってしまうではないか。笑。って感じもしましたが、まぁそれはそうですよね。偉大な企業を築くには、そこにいる人が心底惚れ込んだ事業でなければいけないと思います。
また、偉大さの追求がシンプルさと実績の向上につながるっていう点は気付き、というか、救いですよね。

あと、これはやっぱり組織の話であって、個人プレーを前提としたものではないわけですが、うーんなんていうかな、、、
ある伝統工芸の職人さんが個人として追求する仕事への姿勢、熱意、精神、規律と同じものなんじゃないかと思うんです。プロフェッショナリズム。

これをいかに組織に拡大して適用するか。いや、このシリーズは適用の方法論は実例でしか書かれてないのですけども。あくまでも調査結果から導かれた概念を記してるだけです。

一個人であれば個人の努力ですむこの概念を、組織全員で築き、維持する。
この本に出てくる規模の大きな組織でこれを適用するのは想像もできない大変さでしょうが、たとえば10人20人の中小企業でならどうだろうか。
偉大な企業と同じように、全員がお互いに尊敬しあい、同じ仕事を愛している。
そして儲かっている会社。
そんなのなら最高だなぁ。

もしこの本の言うとおりにするのであれば、先にビジネスのアイデアや商品を探すよりも、まずは一緒に働く仲間を探さなければならないということだ。
それはそれでもちろん大変。情報を取り込んで、発信していかないとと。
なので、一人で本ばっかり読んでてもしょうがないなと思います。色々活動しよう。実は内向的な活動が多いんですよねぇ。
じゃ、次はこれですかね。



結局本読むのかっていう。笑
いい本ってのはいいもんです。
posted by koji at 00:06| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | リーディング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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