2018年01月12日

2018年 文化を創る

1年に一回の所信表明にしかブログを更新しないという。笑

さて、2017年はおかげさまで事業目標を上回って着地することができました。
本当に色んな方々にご支援頂き、たくさんのお客様に来て頂き、
スタッフも頑張ってくれて、新しい人財も集まってきてくれました。
感謝な一年。

目標の「欲張る」の部分は確かに欲張って無理したという感じ。
ビール造りに関しては、免許取得から一年半で100バッチを超え、
目標にしていた受賞もでき、ブルワーの育成という点でも少しは形にできてきた。
年末には無事に法人成りも果たし、労働環境の整備も少しずつ進み、
計画を少し前倒しにして二号店立ち上げにも着手。
法人になって信用も少しは上がったと思うので、また融資を頂いてブリューパブの多店舗化に向けて動き出します。

個人的な夢の一つであった出版。
オンデマンド出版という特殊な形態、費用は少ないけど一応、自費出版という形で、
書籍が形になったというのも大きな成果だったと思う。自分的に。

このブログは開業までの思考や経験、学びの備忘録として個人的に書き綴ってきたものですが、
ブリューパブで開業してから、実はこのブログ読んでました、っていう方から直接表明頂く機会が多く、びっくりやら恥ずかしいやら嬉しいやらヘタなこと書かれへんなやら。笑
クラフトビールに携わろうと志す人、飲食店で開業しようと志す人から少しばかりは価値のあることを書けていたんだなぁと思うと感慨深いです。
あんまり読者意識して書いたことなかったけど。笑
書籍の内容は実はこのブログの続き的なものになってます。


というわけで、出版した書籍はこちら。ブリューパブへようこそ!
ブリューパブへようこそ! -
ブリューパブへようこそ! -

ビールカテゴリーで一時的には1位を獲得できました。
もうすでに陥落しましたけど、これも一つの目標達成でした。
すでに読んで下さった方はぜひご感想お聞かせ下さい。次作に活かします。笑

さて、今年の目標は「文化を創る」。
これは、法人の経営目標にしている、日本に新しい価値を創造する、という前段階として、
チームの企業文化を創る、ということ。

最近読んだ書籍で、
発達指向型組織=DDOについて学びました。
なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか――すべての人が自己変革に取り組む「発達指向型組織」をつくる -
なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか――すべての人が自己変革に取り組む「発達指向型組織」をつくる -

これを読んで感じたとこは「箱」の本。このブログではよく取り上げるけど。
自分の小さな「箱」から脱出する方法 -
自分の小さな「箱」から脱出する方法 -
2日で人生が変わる「箱」の法則 -
2日で人生が変わる「箱」の法則 -

チームの文化として大事にしたいキーワードをスタッフとブレストしてみて。
主体性・向上心・長期的な視点。
そのために組織に属する信頼であったり、責任であったり。
ブリューパブという簡単ではないビジネスにおいて、一人の能力でできる限界はものすごく低い。
特に多店舗化するのであれば、チームビルディングとマネジメントが最重要な課題と認識した2017年でした。
ビジョナリーカンパニーにもあるように、企業の成長が人財の採用と教育スピードに制限されることを身をもって痛感。
その上で、チームが常に背伸びしてスピーディーに加速度的に限界突破していく環境、土壌を作るのが自分の役目とも。
自分自身の能力不足も感じたし、スタッフへの教育不足も感じたし、マーケティングの経験不足が今後課題になると感じてる。
今までのクラフトビールはメーカー発想のマーケティングであり、
ブリューパブのマーケティング戦略は全く別物。
既存のニッチなニーズに対応するんじゃなくて、新しいニーズを生み出すようなマーケティング戦略を立てないといかんなと。すでにレッドオーシャン化しつつある既存のクラフトビール市場とは別の、新しいブルーオーシャンのクラフトビール市場を創るのがうちの経営目標です。

さて、二号店ですが、
大阪市北区に出店、3月オープンを目標にしております。
ビール工場スペースを既存店の1.5倍に広げ、バッチサイズも2割増しにして、2店舗分の生産体制を立て直しします。
もっとカジュアルに敷居を下げたい。その上で売上利益確保しつつ、新たな販路を模索しながら、二店舗間でシナジーを高めあうような戦略とは。
今年ももがきながらリスク取ってリターンを最大化していきたいと思います。
一緒に働ける仲間も随時募集。

本年も何卒宜しくお願いします。
posted by koji at 11:45| 大阪 ☀| Comment(0) | diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月03日

2017年 欲張る

年明け元旦からビールを仕込みました。
2017年はビールにまみれる一年にしたい。

2016年、気づけば終わりました。
2016年は年始早々から物件の目途をつけ、
融資を受けて物件契約して着工、2月には酒造免許取得のため税務署に申請も上げていました。
そこからあれよあれよという間に1年。ほんとにあっちゅーま。
早かった。

オープンが4月23日。地ビールの日に合わせてオープンして、
酒造免許が下りるのを首を長くして待ち、なんとかかんとか8月1日に免許取得。
そこから5か月間でビールを作り続けて、今では23バッチ目に突入。
ようやくクオリティも安定してきたか。どうかな。
今年はフラッグシップを作る。コンペで勝負する。増産して15kくらいは作る。

2016年の振り返り。
この数年を去年一年のためにつぎ込んできて、
それがようやく第一歩の現実化を果たした。
想定よりもはるかにいい形でできあがって、いい形で一年が締めくくれたと思うんやけど、
これは、想定よりもたくさんの人に助けてもらって、仲間になってもらえたからだと思う。
2016年は、人に恵まれた1年。助けてもらった1年。

2017年は、このスタートダッシュがバブルだったと割り切って調子にのらない。
その上で、2016年にできなかったこと、うまくいかなかったことをしっかり計画的にやる。
チームを成長させる。それぞれの強みを活かして弱みを補って、うちの強みにしていく。
権限移譲する。自分が不在でも高いクオリティを維持する。そのための教育に力を入れる。
労働環境を改善する。高いモチベーションを保って、クリエイティブな仕事を産む。法人化に向けて準備する。
業界内でも発信力を高める。日本のクラフトビール、ブリューパブの発展に寄与する。
自分の成長にも投資する。そのために時間を作る。2016年は全然できなかった。
次の展開を視野に入れて、そのための土台作り。資金、時間、チーム、組織、ヴィジョン、コンセプト。
あとはちゃんと実力をつける。頭も体も技術も成長させる。

年末に店舗のスタッフとミーティングして決めた2017年の方針の一つ。
欲張る。
2017年は欲張る年にしよう。守りもしっかり固めて攻めにも出る。
売上も利益も上げる。お客様にも喜んでもらう。うまいビールも作る。うまい料理も作る。うまいコーヒーも淹れる。
人材も増やす。みんなも成長させる。自分も成長する。会社も興す。融資も受ける。
もっといろんな人に関わって助けられたい。今度は助けたい。
しっかり働いてしっかり休みも取る。家族との時間も取る。自分の時間も取る。
やりたいことがいっぱいあるから、自分だけでなんでもやってはいけない。
計画的にやらないと全然前に進まない。今年はマネジメントの年になりそうな予感。
欲張ってもっと上を目指す一年にしよう。

というわけで2017年も皆様宜しくお願いします。


posted by koji at 13:27| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月24日

ブリューパブ起業ブログ

昨年末に投稿して以来、何も書けてなかった。

2016年4月23日、ようやく飲食店の開業ができました。
目標にしていたブリューパブで。
2016年8月1日、発泡酒醸造免許を取得し、
本格的にブリューパブとしてスタート。
すでに3バッチを仕込んで、ビールを作っています。

今日は33歳の誕生日。
去年の8月は、物件を探し始め、
色んな人と出会い、
ビールの勉強をし、
自分のビジネスモデルが本当に成り立つのか毎日考えて、
いくら資金が必要で、
いくら売上があれば利益が出るのか、
考えて考えて仮説を立てて検証してた。
子供が産まれて、自分の不義不徳を反芻して、
自分にとって正しい事はなにか、
家族の幸せって何か、
誰かにとって役に立つことって何か、
いっぱい考えてたと思う。

ブリューパブを立ち上げました。

うちのブリューパブは、
既存のクラフトビールの弱点をいかに克服するか、
飲食店のあり方としてどうやって新しいビジネスモデルになるか、
クラフトビールをいかにしてもっとたくさんの人に飲んでもらえるようになるか、
どうすれば一緒に働く仲間が高いモチベーションを維持して高い理想に挑戦し続けるか、
に重点を置いてコンセプトを立ててます。

ブリューパブのポテンシャルは高い。
そう信じて、色んな人に大風呂敷を広げて色んな協力と助力を頂いてます。

けど、ブリューパブで大儲けするのは難しい。
醸造という特化をいかにして飛び道具に使うか。
あくまでも飲食店の一つの武器、強力なウリに仕立てあげるか。
この線引をしっかり明確にしとかないと、何屋かわからなくなる。

マーケットの動向をきちんと見極めること。
クラフトビールが流行っていると言われ続けてしばらく経って、
社会の何が変わっているか?
自分たちの零細さをしっかり受け止める。
だからこそ地道な努力、誠実な経営が必要。

だけど、メディアのウケはいい。
ウケるうちに、どこまで中身のある施策を打てるか。
お客様をどれだけ確保できるか。

たぶん、流行ってるからってことで一度はクラフトビールを飲む人は多い。
どうやって継続して飲んでもらえるか。
キャラクターやクオリティで差別化するのは難しくない。
そこにストーリーやオリジナリティがあって、応援しようって気持ちは湧く。
でも、あとはコストの問題。金額的なコストもあるけど、取引コストがクラフトビールは高い。
わざわざ飲みにいく、取り寄せて飲む。
気軽にいつでも身近にあるから飲める、低い取引コストを実現できるクラフトビールは多くない。
ブリューパブはそこに活路があると思う。
だからこその都市型ブルワリーにこだわる。
価格の安さだけじゃなく、取引コストをいかに低くするか。
価値はプロダクトとクオリティとコストのバランス。

ブリューパブというかビールを造りたいという人は、潜在的に少なく無いと思う。
けど、現実的にそれに取り組めるひとは多くない。
クラフトビールの市場が成長するにつれ、
クラフトマンシップは失われるのか?
設備産業としての規模のメリットが重要視されていくのか?
クラフトマンシップはマスと相反するけど、マスの牙城を切り崩すにはどうすればいい?
クラフトマンの絶対数が必要なんじゃないかと思う。
造り手がいて、ストーリーがあって、プロダクトがあって、
そこにファンがいて、市場ができあがる。だから造り手の絶対数。


今の自分の姿、立場は一年前では想像もできなかった。
夢見てはいたけど、それが現実化できる目処はたってなかった。
動いて、発信して、色んな人に直接語って、そんでまた動いて、
ベンチャーのキックスタートってこんな感じかな。
ただただ大風呂敷を広げてやってきた1年。
形になって、人が集まって、お客様に来て頂けてなんとかやってきた4ヶ月。
まだまだ毎日自分の未熟さと向き合ってやっていきます。
1年後はもっと成長してますように。
posted by koji at 14:35| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月29日

クラフトビール革命

久々です。

タイトルの通りの本を読みました。

クラフトビール革命 地域を変えたアメリカの小さな地ビール起業 -
クラフトビール革命 地域を変えたアメリカの小さな地ビール起業 -

この本、クラフトビールでの起業を目指す私にとって、

ワクワク 8割

尻込み 2割

という感想。

アメリカのクラフトビールの発展の顛末(といってもまだまだ発展中の)を当事者が書くという点で、
日本のこれからのクラフトビールシーンを想像することができる良書。

ビールの小規模メーカーの創業者の心境がありありと書かれてる。

今日は引用がメイン。

マスコミではちやほやされるが、それが幻であることはわかっている。
財務的には厳しく、まだ黒字も出ていないのにさらなる投資が必要になる。
多くのベンチャー起業家たちにとっておなじみの苦しみ。
ベンチャー事業の初期段階では、成功しているように見せかけることが重要。
最後は利益が上がるはずという希望を抱きながら自信に満ちた外見を保ち続けなければならない。
起業家は生き残りをかけて四苦八苦していた創業時代の美談をしばしば持ち出す。
確かに創業期の成功へのモチベーションは信じられないほどパワフル。
それはあまりの苦しさから一刻も早く逃れたい一心で生じる力だ。現実は地獄なのだ。


どこで営業しようともスケールメリットが大事。
生産設備は、マーケティングや営業に必要なリソースを食いつぶしてしまう。
ビールビジネスに参入したいからと言って、必ずしも生産設備を持つ必要はない。


うちのビールが世界一だと自負するのは構わない。
しかし口頭であれ文章であれ、どんな方法だろうと他人が作ったビールの名誉を傷つけることは業界全体を傷つけるに等しい行為だ。

マイケル・ジャクソン
数千年にわたって老若男女を魅了し続ける、この安価で素晴らしい飲み物の複雑性。
実際ブルワリーというものは、いつどこで暴発するかわからない地雷原のようなもの。
醸造科学はその暴発を防ぐために存在している。
科学的教育を受けたブルワーがGスポットよりもトラブルスポット探しに慣れているのはそのせいだ。
彼らはエクスタシーよりも苦痛に詳しいのである。
2つの誤解。一つは評価の観点。ビールを評価すべきポイントは、欠点かそれとも長所か?
もう一点は表現の問題。自社のラボに内緒でせっかく作ったビールを捨ててしまうブルワーもいる。
おそらく自身のビール品質に対して恐ろしく厳しいのだろう。彼自身の評価基準を非常に重視している。
だから、どんなビールであってもこき下ろす気にはなれない。

素晴らしいビールを作ることは、称賛すべき人々による称賛に値する仕事であるということ。
もちろんそこには素晴らしい酒があるということ。
さらに、考え得る限り最高に完璧な何か、絶対の真実としてのビールづくりは可能だということ。
言い換えれば、ビールを通じてこの世において最良となる全てのものをもたらすことすらできるということ。


ギリギリのことを試す。はっきり禁止されていない行為は、たぶんやってもいい。
要するにあらかじめ許可を得るんじゃなく、あとで謝ればいいってこと。


小規模メーカーの創業者にとって共通していることは資産家ではないということ。
しかし、豊かな生活を日々エンジョイし、自身の業績にプライドを持っている。
ビール文化というこの国の根本に関わるものの改革に携われてラッキー。
人の日常生活にとって非常に大切なもののひとつであるビールにインパクトを与えられたなんて最高。


ブルーパブはキャッシュフローを生んでくれる。
自分のパブに競合が入り込んでくることはないし、コントロールもできる。
そしてやっぱりなんといってもパブは接客業。ブルーパブにもっと集中すべきだ。


ビジネスの安定している卸売業者が新規参入ブランドの売り込みという骨の折れる仕事などするはずがない。
つまり成功したければ自分のビールは自分で売るしかないのだ。


安価なビールへの揺り戻しが起きている。
その要因はクラフトビール業界にもある。それほど価値がなさそうなビールに高値をつけるブルワリーもあるからだ。そういうビールを買って痛い目に合う客もいる。
そういう客はもう二度と買おうとは思わない。


我々ブルワーには、それぞれ独自のアイデアと哲学がある。
作家が芸術家のカテゴリーに属するのだとすれば、我々も芸術家なのだ。
究極的には飲み手のグラスの中で生命を得て息づくために存在するビールのレシピも最初は散文のごとく紙の上に表現される。
それが真実だとすれば、ビールのレシピも紙に記された単なる言葉ではない。時間とともに昇華し、知的な議論すら促す液体の芸術。それがビールなのである。

このビールの品質に問題はありません。もちろん飲んで健康を害することはないですし、それなりにおいしいと思います。ただし、我が社の考えるレベルに達したビールではありません。ですから見守っていてほしいのです。次のビールはもっとおいしくなるはずです。
初回生産分を発売したビールに貼り付けたステッカーの説明文。ビールの品質に全てを捧げる。


ワンオフのビール。酸味の強いビールや、カベルネフランやシャルドネなどのワイン用ぶどう、レッドカラントと一緒に醸造したビール。オーク樽、ウィスキー樽、ラム酒樽で熟成したビール。乳酸菌やペジオコックス菌で発酵させたビール。
ワンオフビールのイノベーションは我が社の企業文化の大きな部分を占める。
ワンオフは飲み手とスタッフ両方が楽しめるから、モチベーションの大いなる源。


食の世界では古い伝統にひれ伏す必要はない。
既存の伝統的ビアスタイルではなく、食の世界で見つけたビールの材料としてポテンシャルを持つ素材をベースにして、普通でない人々のための普通でないエールを作る。


限界を目指して、可能性のある場所にさらなるニッチを創造する。
食やワインのカテゴリーの最高峰にも近づけるようなニッチ。


レイトビア。ワインから始まったトレンドがコーヒーにも波及し、次はビールの番であることは明らかだった。

マイクロブルワリーやパブブルワリー、ナノブルワリーがここまで台頭したのは、ソーシャルメディアの発展に依るところが大きい。
ただし、問題は140文字のメッセージで注目を集める能力と、実際の中身はまったく異なるということ。
消費者は目新しいもの、エキゾチックなものに飢えている。
そうした心理は、「ブランド」には不利に、「スタイル」には有利に働く。


BAAは、小規模ビール会社の利害を代弁し、彼らの声を州や連邦政府に届ける役割を果たしていた。
意見交換の場、政治・広報スキル育成の場として機能していた。
市場の問題を議論できる場ができたことでブルワーたちの連携を強め、情報を共有し、一致団結して問題の解決にあたれるようになった。


ビールの販売に関して、
1.新鮮なビールは売れる
2.流通ビジネスはボリュームが命
3.ボリュームは七難隠す


小規模のままでいる、というスタイル。
第三世代のブルワーにとって、素晴らしいビールを醸造する、コミュニティを作る、ビアサークルの人気者になる。
ブルーパブの多くはより規模の大きなプロダクションブルワリーに成長していくが、新世代の多くはブルーパブをやっているだけでハッピーなのである。

醸造所に入ると、香り、音、風景、醸造所を構成する全ての要素が揃った環境に身をおくことが出来る。
建物の奥の半分が醸造所で、手前がテイスティングルーム。
客はどこに座りたがるか?醸造所に一番近い席だ。
醸造所からの香りや風景を楽しみながらビールを飲みたくなるんだ。


ナノブルワリーはサスティナブルではない。
ナノブルワリーとしてスタートするなら、それがゴール地点ではないことに気づかなければだめだ。
小規模な状態を維持するのは難しい。単純な話、ナノブルワリーは儲からない。
少量、多種。ブルワーにとってナノブルワリーが面白い理由の一つだ。


クラフトブルワリーは、数多くの新しい生産戦略とビジネスモデルを生み出してきた。
全ての規模において気の利いた成功モデルが登場してくる。優れたものはいずれ自ずと浮上してくる。

ただ一つだけ確かなことは、質の高いビールを作り続けなくてはならないということ。
今ではどのコミュニティにも複数のブルワリーがあるから、質の高いビールを作り続けないと難しい。

クラフト風ビールに低めの小売価格を設定することで大手が革命を横取りしていく可能性がある。
しかし、革命は広く深く浸透している。
生産者の顔の見える食材や多種類で新しい商品を求める消費と社会のトレンドの一部になっているし、音楽やテクノロジーの分野とも結びついて進化している。


大手対小規模、クラフトブルワー同士の衝突。ビール戦争は最終的に敵と味方の双方に利益をもたらす。
ある種のプロレス。観客を楽しませる興行である。
日本のビール業界全体の市場規模は約二兆円と言われており、そのうちのクラフトビールのシェアは1%。
まだまだ日本版クラフトビール革命には伸び代がある。



とここまで引用。
アメリカにはそもそもヨーロッパからの移民が築き上げたクラフトビール文化が禁酒法時代以前にあった。
今のクラフトビールのパイオニアたちはその頃のブルワリーを買い取ったり、修繕したり、昔からあったブルワリーに委託醸造することで成長した。
日本もやっとこの段階まで来てるのかなって気はする。
そもそも地ビール解禁からまだ20年しか経ってないことを考えると、市場の移り変わり自体が目まぐるしい。
ここから、日本がアメリカのように爆発的にブルワリーが急増するかというと、ホームブルーイングが非合法なだけにそこまでじゃないと思う。
ただ、だからこそ入り口がブリューパブである必然があるんじゃないかと。
アメリカのブルワーの多くも、初めはホームブルワー。まずはビールの醸造に魅力に取り憑かれるところから。
日本の環境だと、そもそもビール醸造を経験する事自体のハードルが(合法的にいえば)高いわけで、ブリューパブにはそのフラストレーションを埋める機能があると思う。

あとは、ナノブルワリーはとにかく儲からないこと。
これはちょっと計算すればわかりきったことで、小規模である以上、ブルワリー以外での収益の柱が必要ということ。
だからこそ小規模ブルワリーは飲食店を併せて経営しなきゃいけない。
売上のボリュームで言えば、飲食店のほうが上。そこできっちりビールを供給しつつ、プロダクトとしてのビールを作るしかない。

日本のこれからのビール業界についての危惧。
アメリカのベンチャースピリッツありきのクラフトブルワリーと、
日本の第三セクターありきのクラフトブルワリーとの違い。
起業家精神の不足。
大手が参入してきたことで、ここからのクラフトブルワリーは、アメリカでもあったような「ビール戦争」が必要だと感じた。
例えば、「クラフトビール」というプロダクトの定義について、日本には数字を明記した定義はない。
大手がクラフトというキーワードを使い始めて市場の奪い合いに参入する。
あとは税制。大手や政府を相手に戦うしかないけど、それができる業界団体はない。
日本のブルワリーはまだまだ村意識のある仲間で、お互いに助けあってるけど、競い合ってる感じではない。

というわけで、
ブリューパブのマーケットを作ること。ブリューパブの業界団体を立ち上げてクラフトビール業界に影響すること。
ブリューパブが日本のクラフトビールシーンをもっと活性化すると確信しています。
技術的な発展や、人的な雇用の創出も大きなインパクトがあるはず。
このブログのテーマもようやく意味があるものになるかな。
来年も、来年こそ皆様どうぞ宜しくお願い致します。
posted by koji at 17:46| 大阪 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | ビール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月08日

メイカーズ的ジャパンクラフトビール

4月5月の怒涛のイベントラッシュが終わり気づけば6月。
梅雨模様です。
とりあえず2ヶ月間のビールイベントラッシュが終了し、遅めの五月病を患っています。

MAKERS―21世紀の産業革命が始まる -
MAKERS―21世紀の産業革命が始まる -

メイカーズ読みました。製造業を学んだので。
シェア、アンフェアトレードと読んでからのこの本っていうのがすごく面白かった。
21世紀のアメリカの製造業の新しいビジネスモデルについて。
オープンソースがより早くより安くより高品質なプロダクトを産む。
それはデザインやソフトがデジタル化されて、オープンな情報になっているから。
製品化される前から、マーケティングテストされ、カスタマーの支持を得る、クラウドファンディングで資金を集める製品が求められる。
インターネットが普及してこれまでは情報=ビットだけがフラット化してきた。
製造装置の高度なオートメーション化が進み、物流ネットワークがグローバル化して、世界的な賃金格差が縮小してきた、これからはハード、物質的な製品=アトムもフラット化する時代になる。
そうなれば、欧米諸国の中小企業が製造業で息を吹き返すことが可能になる。

要約すればこんな感じでしょうか。
メーカーズムーブメントについてはwiki参照で。
メイカーズムーブメント

オープン・イノベーションについてはシェアでも重要性がありました。
コワーキングスペースも大阪にもあるなぁ。今度行ってみよう。

今日は酒蔵ビールメーカーの合同協議会でしたが、
一社ずつの開発ではもう競争に勝てない、オープン・イノベーションによる技術革新が必要、という内容に至ってます。

これ、やりたい。
大手の参入により研究開発力で圧倒的不利な小規模メーカーはやっぱり寄り集まって対抗するしかないと思う。

でももうマイナーメーカーだけのクローズドな情報共有くらいじゃにっちもさっちもいかない。

一消費者でも、そこらへんのブルワーよりマニアな人もたくさんいるし、海外飛び回ってていろんなものを飲んで見聞きしてる人もいる。長年ホームブルワーやっててすごい技術とセンスのある人もいる。大手ビールメーカーの中には醸造学をしっかり学んでも、自分の好きなビールなんて作ったことない人もいる。飲食店のオーナーは自分の店で売りたいビールを明確に描いてる人もいる。
そういう人も集まってこれるような、真にオープンイノベーティブな環境って作れないもんか。
そんでそれを形にできる、コブルーイングスペースを作れないものか。
ただ、ビールが前述のメイカーズ的プロダクトと違う点は、生き物だってところ。
無生物の形を作るんじゃなくて、生物の活動をデザインする。いくらオープンな設計だっていっても、同じものが作れるわけじゃない。っていうのが面白いところだと思うんだけど。


イベントラッシュを振り返って見ての感想。
新興ブルワリーがとにかく目立つ。そういう意味でマニアは既存メーカーだけでは満足しなくなってる。
関東ではIPAがまだ強い。ウケる。サワー系がくるくる言われてても、ちゃんと作れるところはほとんどない。ので結局海外ビールが優勢。
セッションなんとか的なライトエールでうまいやつがほとんどない。むずかしい。
関西のブルワリーではIPAがあんまりない。やっぱり甘いのが人気。成熟度の問題?地方性?
ビール単体で利益が出ない。フードが売れてなんぼ。やっぱり見本市・ファンサービス以上の機能を果たせてない。

ブルワリーとして、イベントとビアパブ頼りの販路に魅力を感じない。
巻き込める人の数もそう。小規模なメイカーとしての柔軟性とかチャレンジフルな開発の強みとか。

というわけでこの2ヶ月で、自分がブルーパブをやる目的というか理由の根拠を強めたのでした。あとは適性もあるという自信と。
小規模で試験的にプラントをまずは作ってみて、色々やらせてもらおう。

ホームブルーで作ったビールの消費が全然おいつかないので、
バーベキューでも主催してパーッとみんなに飲んでもらいたいです。よろしくお願いします。
posted by koji at 18:39| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ビール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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